第28章 前任の憑依
包丁「主!!どうしちゃったのさ…!何でこんなことするの!」
包丁はなまえの前に来れば、なまえの腕を掴み揺さぶって声を掛けた。
小夜「主…いつもの主に戻ってよ…っ」
小夜は今にも泣いてしまいそうな顔をしていた。
そんな短刀を他所に前任は暴言を吐く。
『「触らないで!短刀なんか、私は求めてないのよ!」』
包丁「えっ…主…?」
小夜「…………」
なまえの姿をした前任の言葉に、ショックを受けたのか放心状態になる包丁と小夜。
そんな2人に再び手を上げようとする前任を皆止めに入る。
燭台切「っ、手を出すなんて、許せないね!」
『「離せ離せ離せ!!!」』
和泉守「っ!なんて力だっ……!くっそ!」
一期「包丁、こちらに…!」
江雪「近寄らない方がいいです、今は……」
皆が前任を取り囲み押さえつけている間に、一期と江雪が包丁と小夜を前任から離した。
包丁「何で……何で主は……」
小夜「…主、僕たちが嫌いになったんだ……」
愛を注がれていた短刀にとってはショックが大きかったのか、涙をポロポロと流しながら座り込んでしまっていた。
そんな2人に目線を合わせるように一期は腰を下ろし声を掛けた。
一期「主は今、怨霊に取り憑かれているんだよ…だから、今の主は主じゃないよ……だから主を信じてほしい…」
2人を安心させるように一期は頭を撫でた。