第28章 前任の憑依
『「離してっ……!!」』
蜻蛉切「っ、これ以上害を加えるなら、離すわけにはいかないっ…!」
蜻蛉切が暴れる前任を押さえ付ける。
それでも前任の力は強く、他の刀も前任を押さえ付ける。
『「アンタ達が言うことを聞かないから害を加えるの!当然でしょ!?」』
同田貫「っ、おい!動くなっ……!」
そんな騒がしさに、部屋にいた短刀達が警戒しながら広間を覗いていた。
包丁「主……何してるんだ?」
小夜「……主」
いつもとは全く違うなまえの姿に、短刀達は酷く怯えていた。
そんな怯えた短刀を見れば、後藤と信濃が察して声を掛けた。
信濃「皆、部屋に居よう」
後藤「そうだな、今…俺たちは行かない方がいい…」
後藤と信濃は、薬研や厚が殴られた姿に、今自分達は中に入るのは適切ではないと思っていた。
すると、いつの間にか包丁と小夜が広間の中へと入っていってしまった。
後藤「お、おいっ!信濃、チビ達は頼んだ!」
信濃「わかった!」
残りの短刀達を信濃に任せて、後藤は中に行ってしまった包丁と小夜を追い掛けた。