第28章 前任の憑依
〜 広間 〜
『「ねぇ、宗近…部屋に行こう?」』
そう言ってなまえは俺の首に手を回してきた。
三日月「…っ」
コイツは、主であって主ではない…。
きっと前任だ…名前の呼び方、絡み方…全てが嫌な記憶と一致する。
けど、見た目も声も…俺の好きな主…胸が高鳴る。
嫌なはずなのに、抵抗なんて出来なかった。
三日月「…分かった…」
鶴丸「三日月!!」
小狐丸「三日月殿…、行ってはいけません」
なまえに憑依した前任と部屋に行こうとする三日月を皆止める。
それは、辛い思いをした仲間だからだ。
このまま行ったらいけないと、皆が訴える。
そんな中、騒がしさに他の刀も集まってきた。
薬研「なんだ?騒がしいが……」
山姥切「何かあったのか?」
ぞろぞろと集まってきた刀剣男士に、面倒くさそうな顔をする前任。
『「何でもないよ?気にしないで」』
大和守「主、昨日のメイド服もう1回着てよー。今度こそ襲うから」
『「……」』
加州「まぁだ言ってる…まぁ、その時は俺も混ざるけどね」
何言ってるの?私が審神者だった時は…コイツら私に寄り付きもしなかったのに…この女には自ら抱く宣言……?
ムカつく…心底ムカつく……。
『「抱かせるわけないでしょ、アンタなんかに」』
もっと、もっと……この女が嫌われるように……!