第28章 前任の憑依
……ん?ここは?
私は目を覚ますと、辺りは真っ白だった。
そう言えば私…蔵の前で倒れたんだっけ…。
身体を起こし、再び周りを見ても真っ白だ。
すると、いきなり知らない女の人が目の前に現れた。
『だれ……?』
「私は、あの本丸の前任」
えっ…前任!?
ま、まさか、本当に見えちゃうとは…笑えない。
『ここはどこ?』
「ここは私の作った、空白の世界。アンタを閉じ込めとくためにね」
『何でそんなこと……』
「あの本丸は私のなの。殺されたから手放すしかなくなったけど…今でも私の本丸。だからアンタの身体に憑依したってわけ」
『憑依……!?わ、私の身体を使って何する気!?』
「んー……何しようかな…。また夜伽も味わいたいし、その前にアンタが刀剣男士に嫌われる様なことをしてやりたいね」
『……やめて…刀剣男士を傷付ける事だけは…』
「ふふふっ、いい顔。アンタはここで見てな…じゃあね」
そう言って、前任は空白な空間から姿を消した。
それと同士に私の姿と刀剣男士の姿が映っていた。
「『触らないで』」
え?私が今剣を押し飛ばしてる……?
な、んで……やめて、やめてよ……
これ以上皆を傷付けないで……お願いだから…
そんな私の気持ちをお構い無しに、前任は好き放題行動していく。