第24章 時には甘えも必要です
私はあれから、粟田口の部屋を後にしてお風呂を済ませた。
『はぁ、いい湯だった…あ。そう言えば包丁から貰ったお菓子があったんだった…』
着替えたポケットから貰ったお菓子を取り出せば、ぱっと長谷部の顔が浮かんだ。
『長谷部にあげようかな…疲れてそうだし』
私はそう思い、長谷部の部屋へと向かった。
〜 長谷部の部屋 〜
不動「あーあ、お前が邪魔しなければ今頃主の部屋で眠れたのにさぁ」
長谷部「そんなこと俺が許さん」
亀甲「それならボクだって、ご主人様と一緒に寝たいね」
長谷部「だから許さんと言っているだろう!」
はぁ、コイツら……主主と…。
お前らが主と寝るなら、俺だって主と……って、いかん!俺としたことが、煩悩に侵されているな…
そんなことを考えている長谷部の元に、主であるなまえがやって来た。
『長谷部〜、いるー?』
長谷部「…あ、主!?」
なまえの事を色々考えていた長谷部は、いきなり聞こえたなまえの声にビクリと肩を揺らした。
すると、ゆっくりと襖が開いてなまえがひょこっと顔を出した。
『あ、やっほー』
亀甲「ご主人様!添い寝しに来てくれたのかい?」
不動「添い寝なら俺だろ!」
『あ、いや。添い寝しに来たわけじゃないんだけど』
添い寝って…どんだけ甘えん坊なの。
まぁ、それはそれで可愛いんだけども。