第23章 愛情不足な彼ら達
石切丸「さて、それじゃ行こうか」
石切丸が私に手を差し出しながら夕餉に行こうと誘ってくる。
待って、なんて言えばいい……!!!
私は石切丸から目を逸らして泳がせた。
すると、石切丸は不思議に思ったのか首を傾げながらこちらを見てきた。
石切丸「ん?どうかしたかい?」
『あの……そのー……』
石切丸「もしかして、具合でも悪いのかい?」
『そ、そうなんだよね!なんか腰が痛いってゆうか…起き上がれなくてさ……』
石切丸ー!!!
なんて察しがいいんだ…話に乗っかり易いよ…
腰痛いって言っても違和感無いよね!うんうん!
石切丸は私の話を聞いて眉を下げたような顔をした。
石切丸「大丈夫かい?腰が痛いなら立てないね…どうしようか…」
顎に手を当てながら考えている石切丸
石切丸「広間に行けば食べられる?それなら私が運んであげるけど……辛いなら部屋に食事を持ってくるよ?」
『んー、部屋で食べると皆に心配かけちゃいそうだから…』
石切丸「じゃあ、広間まで運ぶよ」
そう言って、石切丸は私を抱き上げようとした。
えっ、まさかお姫様抱っことかするつもりじゃないよね?
お姫様抱っこなんかされて広間に行ったら…皆に見られる…恥ずかしすぎる!!
私は慌てて石切丸を止めた。
『い、石切丸!抱っこはいいから、支えてくれればいいよ!』