第23章 愛情不足な彼ら達
なんだ、私が怒ったと思って心配してたんだ。
やっぱり可愛い奴だな……
『ううん、怒ってないよ』
小狐丸「本当ですか?」
『うん、本当に』
私は返事をしながら、髪を優しく梳かしていく。
するといきなり小狐丸がこちらを向いてきた
小狐丸「ぬしさま…怒っていないのなら、この小狐丸に口付けをしていただけませんか…?」
…………はい?
なんでそうなる!?
まぁ、確かに怒ってたらキスなんて出来ないけど……って違うだろ!!
今髪を梳かしてる時点で怒ってないってことに気づけ!
怒ってたら髪なんて梳かさないでしょ!普通!
『何で口付け…?私怒ってないよ……?』
小狐丸「不安なのです…。もっと、ぬしさまに触れたいですし、沢山愛されたいのです…」
少し俯き加減で呟く小狐丸。
その姿はとても寂しそうだった
え、何でそんな寂しそうな顔するの……
私の所為……!?
『あ……こ、小狐丸…そんな寂しい顔しないでよ…ね?』
小狐丸「すみません…。ぬしさまには、何だか気を許してしまいます…人間なんてと、ずっと思ってましたが…ぬしさまには触れたくなる…。いえ、ぬしさまだから甘えたくなってしまう…」
そう言ってぎゅっと私を抱きしめてくる小狐丸。
確か…前任に性的暴行を受けてたとは聞いていたけど、そんな事があっても私に触れてくれるのは…とても凄いことだよね……。