第22章 蔵に纏る霊力
次郎「それで?本当に寝たの?」
『ね、寝るわけないし…!』
次郎「えー、怪しいなぁ」
私をからかうように、次郎はニヤニヤしながら深く聞こうとしてくる。
それを見かねた太郎が次郎に声を掛けた
太郎「はぁ…次郎太刀、それ位にしておきなさい。主が困っているでしょう…それに食事中です」
次郎「はいはい、分かったよ〜。ほんっと、兄貴は頭が堅いんだからさぁ」
太郎の注意に潔く身を引いた次郎
私は少しだけホッとして胸を撫で下ろした
太郎「次郎太刀が、すみません」
『あ、ううん、大丈夫!助けてくれてありがとう太郎』
助けてくれた太郎に手を合わせながらお礼を言った。
いやぁ、本当に助かったよ〜誰と寝たとか口が避けても言えない……!
次郎「でもさ、アンタ以外みーんな男なんだから気をつけなきゃダメだからね?刀と言えども、欲ってゆうのはあるし、心もあるんだからさっ。男はオオカミってゆうでしょ!」
『…オオカミ……』
私は広間に居る刀剣を見渡した。
ここに居るみんながオオカミ…私、身体持たないよ……じゃなくて!!!
こんな沢山オオカミ居たら怖いわ!!
なんか赤ずきんちゃんの気持ちになれる……
次郎「みんなアンタには気を許してるし、好かれてるから尚更気をつけないとね〜。アタシだって…オオカミになっちゃうかもよ?」
そう言って、次郎は私の唇を指で撫でてきた。
『……え?えぇ!?』
次郎「なぁんてねっ!ほんと、アンタ警戒心無さすぎ。無防備ってゆうか…兄貴もそう思わない?」
太郎「……まぁ、警戒心がないことは認めます」
『…そ、そんなに警戒心ないのか……き、気を付ける!!』
これからはもっと警戒心強められるように頑張ろうと心に誓った今日この頃だった。