第22章 蔵に纏る霊力
『………………』
えっ?人…?
その人物は、壁にもたれかかるように座っていて俯いたままで全く動かなかった。
私は恐怖で声が出なかった。
待てよ、とりあえず落ち着け私。
見た目も綺麗だし…死体では無さそうだけど、動かないし、マネキンなのかな……?
綺麗だし、マネキンかな?しかも2人……
え、待って……すっごく怖い!!!
し、死んでる……?生きてる……?それともマネキン……?それとも…ゆ、幽霊……?
『………………………………』
ちょっと引き目に見ていたが、全く動く気配がないので、私は少しだけ近寄り顔を覗いてみようと試みた。
私、勇敢じゃない?自分でも感じたわ。
触れられる距離まで近付けば、その1人の人物はいきなりムクっと動き出せば顔を上げてこちらを見てきた。
『ぎ、ぎぃゃゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!』
目が合った途端、今まで出なかった声が解放された。
私の悲鳴に3人はびっくりしたようにこちらを見てきたがそんなの気にしている余裕などなかった。
『さ、さささささささっきの、お、御札!!!!!!』
私は恐怖でその場で尻餅をつくが、先程見つけた御札を使おうとダンボールに手を伸ばせば御札を手にした。
『あ、ああああ悪霊退散!!!!!ごめんなさい!生かしてください!まだ死にたくないよ!!』
御札を掲げながら、こちらを見ている人物にとりあえずありったけ叫びまくった。