第22章 蔵に纏る霊力
小走りで左文字派の部屋に到着すれば、部屋の襖を躊躇いもなくスパンっと開けた。
『にっかりとじゅじゅまるは居るー?』
部屋を見渡せば、にっかり、数珠丸、宗三の姿があった。
宗三「なんですか…人の部屋に無断で入ってきて」
『あ、ごめんごめん。でも急用だったからさ!やっと見つけたよ、2人とも!』
2人を見れば、2人はきょとんとしたような表情を浮かべた。
数珠丸「私達に何か御用でしたか?……後、じゅじゅまるではなく、数珠丸です」
『あ、じゅじゅまるの方が呼びやすかったからつい。あ、用っていうのは昨日話してた蔵の話なんだけど…!』
にっかり「あぁ、その話か。その事なら、今3人で話をしていた所だよ」
『え?そうなの!?それなら話は早いね!』
宗三「はぁ…喧しいのでとりあえず座ってください」
喧しいだと…?
こっちは蔵の話が気になって気になってしかたないんだぞ!
まぁ、ホラーとかミステリーとか苦手だけど…怖いもの見たさってあるじゃん!それだよ、うん
そんなことを脳内で考えつつ、とりあえず宗三の隣に座った。
にっかり「それで…心の準備はできたのかい?」
『うん!今日ね、蔵に行くよ』
宗三「へぇ、お1人で行かれるなんて…勇敢ですね」
『誰が1人で行くって言った?ねぇねぇ、いつ言ったの?』
嫌味か!美人なのに嫌味言ってくるのか!
1人で行ったら呪い殺されそうな気がする、霊力に
だから誰かを道連れ……じゃなかった、付き添いを頼みたいね