第1章 今日から私の本丸
中に入ると空気が更に淀んでいて、まるで噎せ返りそうな空気だった。
この中で刀剣男子が暮らしているのだと思うと、とても心配になる。
『こんのすけ、本当に此処に刀剣男子が住んでるの?』
こんのすけ「はい!でもブラック本丸故、怪我をしていたり、破壊されてたり…様々な事が有り得るので、隅々まで探さないと詳しくはわかりません…」
『そっかぁ…。なんか、今更だけど…不気味な屋敷だね…』
屋敷を眺め、庭に目を移した。
すると庭の池にキラリと光っている刀を見つけた。
『こ、こんのすけ…!あれって…刀…?』
池に沈んでいる刀を指さしながらこんのすけに尋ねた。
こんのすけ「あ、あれは…!まさしく刀です、主さま!」
『ま、まじですか…!は、早く助けないと…!』
刀と聞けばこんのすけを一度降ろして、冷たい池に手を伸ばしたが、届きそうで届かない深さだった。
『あと少しで届きそうなのに……って、うわぁぁあっ!』
こんのすけ「あ、主さまー!大丈夫ですかー!?」
手を伸ばし、刀を救い上げようとしたが足を滑らせ自分が池に落ちてしまった。
『げほっ…うぇー…落ちた…!さむっ…あ、そんな事より刀!』
池から顔を出して身震いしてから、足元に沈んでいた刀を拾い上げた。
『ふぅ…無事に拾い上げれた…』
こんのすけ「主さま!お怪我は有りませんか!?」
『あ、うん!大丈夫だよ!ちょっと寒いけど…それにしても、この刀重くて大きいけど…誰だろ…』
広い上げた刀は、大きくて重たい刀だった。