第15章 宴の開幕
御手杵「おう、元気だなぁ」
顔をあげた私をさらにわしゃわしゃと撫でてくる御手杵
いつも撫でる側だからなんだか恥ずかしい気分だ
『元気だけが取り柄です!』
日本号「いい取り柄じゃねぇか」
酒を舌鼓しながらにっと笑ってくれる日本号
やっぱりみんな根はいい人なんだよ、うん
『いやぁ、褒められると照れますな…』
褒められることにあんまり慣れていない私は少しだけ俯いた。
蜻蛉切「褒めるところなら、沢山ありますぞ。この料理も主が作ったと聞いておりますが…すごくお上手で」
料理を摘みながら褒めてくれる蜻蛉切。
『あ、これね頑張って作ったんだよ!お酒のつまみになるかはわからないけど…ケーキは他の刀剣男士に手伝ってもらって作ったから自信作!』
ケーキを指差しながら主張すれば、太郎がケーキを自分の皿に取り分けて一口食べてくれた。
太郎「美味しいです」
『ありがとうございますうぅ!!手伝ってくれた皆も喜ぶと思うよ!』
太郎「こんな美味しいものを食べたのは…いつぶりでしょう…」
次郎「そうだね〜、お酒を飲んだのも久しぶり過ぎてね」
2人の話を聞いていれば、少し悲しくなった。
それと同時に宴を開いて良かったと思えた
まぁ、次郎さんが提案なんだけどね?
日本号「まぁ、またこうして酒が飲める日が来て良かったな」
次郎「だね!今日は飲みまくらないと気が済まない!」
お酒の瓶を片手に嬉しげに笑う次郎を見て、こっちまで笑顔になった。
『たくさん飲んでね?お酒もたくさんあるし!』
次郎「ありがとうね!アンタも、たくさん飲みなよ?全然飲んでないみたいだし!」
『さっき飲んだ、一気に飲んだ』
次郎「1杯しか飲んでないでしょ〜、もっと楽しまないと!」
そう言って、再びグラスを差し出してきた次郎
強引にも程があるよ!?!?
しかたなくグラスを受け取り、グラスに入ってる酒を少し飲んだ。
すると、蜻蛉切が横から声をかけてきた。
蜻蛉切「主は、酒の方は強いのですか?」
『ん?んー……普通かな?強くもないし、弱くもないって感じ』
蜻蛉切「そうですか……ならあまり飲み過ぎないようにしないといけませんね」
優しく言葉を掛けてくれる蜻蛉切。