第15章 宴の開幕
あれ、蛍丸怒ってる?
不機嫌そうだけど……宴なのにあんな顔して…どうしたんだろ。
私は少し心配になりふらっと席を立つと、誰かに腕を引かれた。
鯰尾「主、どこ行く気?俺の隣に来てくれるって言ってましたよね?」
『え?言ってないけど』
鯰尾「えー、さっき約束したのに!俺の隣に来てくれなきゃ他には行かせませんからね!」
なんでそうなる……!!
私は蛍丸が心配なんだ!
早く行ってあげたいのに、鯰尾に捕まって身動きが取れなくなった。
そして強制的に鯰尾の隣に座らされた。
鯰尾「主なんか飲む?俺が注いであげるよ!」
『えー、あー、じゃあ…リンゴジュースでいいや』
私の注文に、鯰尾はにこっとしながらコップにジュースを注いでいく。
鯰尾「主はお酒飲まないの?」
『飲むよ?飲むけど、ショタの前で飲むのはなんだか気が乗らないから、後半になったら飲もうかなって』
鯰尾から受け取ったジュースを口に運ぶ。
鯰尾「そうなんですね、酔った主が見てみたいなぁなんて」
骨喰「酒乱だったら怖いな」
『私酒乱じゃないと思うなぁ、暴れたりしないし!』
鯰尾「酔った自分なんて、自分じゃわからないもんですよ?主、酔ったら脱いだりして!そしたら俺が介抱してあげますからね?」
『いやいや、結構です』
何を言ってるんだコイツは…
下心アリアリじゃないか!
ほんと、見た目に似合わずスケベというか…なんとゆうか…
骨喰「まぁ、酔いすぎなければいいだけだろう」
鯰尾「えー、それじゃつまんないじゃん!」
『酔っ払いで遊ばないの!全く…』
つまんないってなんだ…!
人を酔わせて楽しむなんて悪趣味過ぎでしょ!
私はジュースを飲みながらため息を吐いた。
粟田口とはだいたい話せたし、次のテーブル行こうかな。
『鯰尾、私次に行くからまた後でね?』
鯰尾「えー…、まぁしかたないですね…また後でね?」
鯰尾が諦めてくれた為、私は立ち上がり次のテーブルへと向かった。