第15章 宴の開幕
包丁「んー、主に食べさせてもらうと一味違うなぁ!」
もぐもぐしながら嬉しそうに笑っている包丁を見て私はとても和んだ。
『美味しそうに食べてもらえて嬉しいよ〜。鳴狐も食べてる?取り分けようか?』
たまたま目の前の席に座っていた鳴狐のお皿を見ると何も乗っていなかった。
鳴狐「……うん、お願い」
お付の狐「それにしても、主殿の料理は美味しいですなぁ。きっと愛情が篭ってるから美味しいのですな!」
『そうかな?まぁ、愛情はたっぷり入れたけどね…はい、鳴狐』
皿に料理を取りわければ、鳴狐に手渡した。
鳴狐「ありがとう……」
出会った時よりも鳴狐の口数が増えて、すごく嬉しい
少しは心を開いてくれてるのかな…なんて勝手に思ってしまう。
乱「主さん!僕の方にも来てよ!」
鳴狐を見ながら考えていれば、乱に声をかけられふと現実に戻る。
『あ、うん!じゃあそっち行くね?』
私は乱が居る端の席に移動した。
乱「主さん、ボクにも飲み物注いで欲しいな?」
『はいはい、たくさん食べてたくさん飲んでね?あ、前田も空だね』
乱が差し出してくるコップにジュースを注いであげる。
ふと目をやれば、前田のコップも空いていたためジュースを注いだ。
前田「あ、ありがとうございます…!嬉しいです!」
『色んな飲み物あるからたくさん飲んでね?』
前田「そうゆう主君こそ、ちゃんと飲んでくださいね?先ほどから見てると、あんまり飲んでいませんし、食べてなさそうですから……」
私の心配してくれる前田
心優しい子だ、それだけで癒されてしまう……ショタコンに近付いている気がしなくもない…!!!
『ありがとう前田、他のテーブルにも行くからちゃんと食べるし飲むよ!』
前田と話していれば、隣のテーブルに居た蛍丸と目があった。
蛍丸「…………」
私の顔を見れば何やら不機嫌そうに目を細めていた。