第15章 宴の開幕
私は大人数の目に耐えきれず、長谷部を手招きして呼んだ。
するとすぐに気付きこちらに来てくれた。
長谷部「主、大丈夫ですか?」
長谷部は心配そうにこちらを見てきた。
『うん、ダメかもしれない。だからこの宴を早く始めちゃってください』
長谷部「俺でいいんですか?」
『長谷部じゃないと無理だから…!』
ほんとに長谷部じゃないとこの場はしきれないよ!
鶴丸なんかぼーっとしてるだけだし…!
長谷部「主…頼っていただけて嬉しいです…!主命とあらば、このへし切長谷部何でもこなします」
すると、長谷部が私に少し頭を下げてから大人数の方へ向き直った。
長谷部「主の命により、これから宴を始める!主に迷惑をかけないよう、楽しむように!」
長谷部の掛け声により、先ほど静まり返った広間はまたガヤガヤし始めた。
こうして、初めての宴が始まった。
『長谷部ほんとにありがとう…!助かったよ…』
長谷部「いえ、主の命とあらば」
再び胸に手を当て静かに頭を下げる長谷部
なんて忠実な刀なんだ……長谷部いい子…、ショタじゃないけど!
鶴丸「主…さっきはすまなかった。まさかあんなに驚くなんて思わなくてな…」
苦笑いをしながらこちらに近寄ってきた鶴丸
とりあえず、鶴丸を儚いと思ってた私の気持ちを返してほしいものだね、ビックリじじいが
『はぁ…別にいいよ。今日は宴なんだから、鶴丸も楽しんで?後で鶴丸の席にも遊びに行かせてもらうから!』
鶴丸「本当か!?なら、主が遊びに来るのを待ってるからな!」
そう言って、満足げに席に着いた鶴丸
意外と可愛いところあるなぁ……なんて思ったのは内緒である。