第14章 宴の準備
大和守「それなに?」
後ろから抱きついたまま、生クリームを見ながらなんだそれはと問いかけてきた安定。
その問いに、私は生クリームを混ぜながら答えた。
『これは生クリームだよ。このスポンジに塗ってケーキにするの』
大和守「へぇ、美味しそう…僕こんなの食べたことないから食べるの楽しみ」
『ほんと?たくさん作るからたくさん食べてね!』
大和守「うん。…ねぇ、主?」
『ん?どうした?』
寂しそうな声色で呼んできたため、つい手を止めて後ろを向いた。
抱きつかれてるせいであんまり顔は見えないけど
大和守「主はさ…僕より清光が好きなの?」
『え?なんで?』
大和守「だって…最近主、清光ばっかり構うから…。今日だって清光を部屋に連れていったでしょ?それに買い物だって……」
声色だけで寂しさが伝わってきた。
私、安定を不安にさせちゃってたんだなぁ…
私は後ろを向き、安定をじっと見た
『私は、安定も清光も同じくらい好きだよ?買い出しだって、その場に居た清光と包丁くんに付き合ってもらったんだ…。部屋に呼んだのは遠征の御褒美に爪紅塗る約束してただけなの。だから深い意味はないよ!』
私の言葉にハッとしたような表情を浮かべる安定。
大和守「……そうだったんだ…。ごめん、なんか勘違いしちゃって…」
『私もごめんね?でも安定も大好きな事には変わりないからね、だから心配しないで?』
私は安定の頭を優しく撫でた
すると再びぎゅっと強く抱きついてきた