第11章 着替えを盗んだ変態
『はぁ…心臓に悪い……このキスマークいつ消えるんだろ』
粟田口の部屋から飛び出し、廊下を1人歩きながらぶつぶつと独り言を漏らした。
首のキスマークに手を置きながら。
すると背後から誰かにぎゅっと抱きしめられた
明石「主はん」
『ん?お、明石だ!昨日ぶりだね!』
抱き着いてきた正体は明石だった。
私は振り返りながらとりあえず挨拶を軽くする。
明石「ほんまですわ。朝食の時も粟田口の方に行っちゃって、寂しかったんですわ」
『おーおー、寂しがり屋の明石くんだね』
私は後ろから抱きしめてくる明石の頭をポンポンと撫でた。
明石「例のご褒美もまだ貰ってまっせん」
ご褒美…確かにあげてない。
約束してから1日経ってしまった……私嘘つきみたじゃないか!
『あー、ご褒美…忘れてたわけじゃないよ?ってか、明石はどんなご褒美が欲しいの?』
明石「そんなん決まってます、主はんの初めてを自分が……」
『却下です』
明石「即答過ぎですわ……」
何を言ってるんだコイツは。
ほんと会う度に変態さが悪化してるな…
先が思いやられるよ、私は
『だって前任に夜伽されて嫌だったって話してたじゃん!なのに自分から夜伽に誘ってくるってどうゆうこと?』
おかしいよね?矛盾してると思わないか?
ここのレアさんたちは夜伽を嫌ってるはず、なのに