第10章 新 た な 刀 の お 手 入 れ
『ありがとう!これからよろしくね、鳴狐!私はなまえっていうけど…みんな主とか呼ぶから必要ないね?』
鳴狐「……名前…嬉しい……」
私が名前を言えば嬉しそうに少し笑った。
名前を教えてもらえるのが嬉しいのか?
『嬉しいの?ただの名前なのに』
お付の狐「主殿、知らないのですか?真名を教えると神隠しに遭うかもしれないのですぞ!」
神隠し……?
あの神隠し?初耳なんだけど……!?
『えっ、なにその話!?狐さんもっと詳しく!』
お付の狐「ここに居る刀は、付喪神…所謂神様なのです!その神様が人間の真名を知っているといつでも神隠しが出来るのです!」
え……まじ?
私は混乱しつつ絶望した。
人間嫌いな付喪神に真名教えたら神隠しされるじゃないか!
やばくない?私大丈夫?
今更過ぎない?ねぇ、こんのすけ?
『私…真名教えてしまった……』
鳴狐「……でも、嬉しいよ。信用されてるみたいで…」
『信用……まぁ仲良くなりたいのは事実だし…もっと仲良くなれば神隠しからも逃れられるからきっと大丈夫でしょ……きっと』
お付の狐「次の主殿は独り言が多くて、変わった方ですね…鳴狐」
鳴狐「…嫌いじゃない」
私が独りでぼそぼそ呟いていれば、鳴狐とお付の狐が2人で話している。
仲良しなんだなぁと少し眺めていれば、すっと部屋の襖が開いた。