第86章 山姥切問題
箱を開ければ、そこには市街地のアクセサリーショップで見て欲しかった水色のブレスレットだった。
『えっ……これって………』
長義「…市街地で欲しがっていただろう?」
『……………………』
想像以上に嬉しすぎる……これは。
涙出そう…いやもう涙も鼻水も出てきた…
『長義くん…、ありがどぉ……』
長義「……………………えっ」
まさか泣くとは思わず長義くんにドン引きされる私。
そんなにドン引きしなくても…!!!
私は泣くほど嬉しかったんだよぉ!!!
『一生宝にする……ほんっとに』
長義「…俺の事も一生、主のモノにしていいよ」
『それはちょっと』
長義「えっ?」
『はぁ…これは勿体なくて付けれないね……』
長義「そんなに喜んで貰えるとは…用意して良かったよ」
そう言って長義くんは私の隣に近寄ってくれば、水色のブレスレットを手に取り、私の手を取れば手首にブレスレットを付けてくれた。
そして私の涙を指で拭ってくれたかと思えば、そのままぎゅっと抱きしめられた。
…………王子様かっ!!!
えっ、何この状況…は?意味わかんない。
イケメンに欲しかったブレスレットをサプライズプレゼントされて?それを付けてくれたかと思えば涙を拭ってくれて?その上慰めるかのように抱きしめて背中ポンポンしてくれるだと?
ここまでされて本丸から追い出すなんてなんて心無い行動ができるのか私は…!!!
絶対バチ当たるよね?私の五感が長義くんを住ませてやれって言ってる。えっ、ちょろいって?でも…ねぇ???
『あの…長義く…んんっ…!?』
この本丸に住んでいいよと言うつもりで口を開けば、再び唇にキスされ私は目を見開く。
そして少しして唇が離れ、長義くんは熱っぽい目線でこちらを見てくる。
長義「続き…してもいいかな」
『………は…!?』
なんで発情してるのかな?あれ?王子様どこ行った?
私のトキメキを返せぇぇぇぇええ!!!!!
やっぱり追い出そうかな。
そんな事を思っている矢先、私の腰を撫でてくる長義くん。
いや、真昼間なんですけど…!?!?!?
やっぱり追い出そうかな。(2回目)