第86章 山姥切問題
〜 審神者部屋 〜
私はあれから長義くんを連れて審神者部屋へと来た。
テーブルを挟んでお互い向き合うように座れば、長義くんはどこか気まずそうに下を向いてしまっている。
なんか…子供みたいだなぁ……なんて思いながらも私から長義くんに話しかける。
『長義くんは…なんでこの本丸に?』
長義「…政府から絶賛されていたから気になって。どんな強い刀剣が居るのか、審神者はどんな人なのか…気になって偵察していた。出陣についても相当優秀なんだろう?」
『…え?うちの本丸出陣あんまりしないよ?元々ブラック本丸で…出陣どころじゃなくて…それから暫く出陣はさせてないかな…いや、そもそも出陣したことないかも…』
長義「えっ……」
『刀は使われる事が幸せなのかもしれないけど…今まで辛い思いをしてきた皆には幸せに暮らしてもらいたいなって思って。まぁ、刀剣達が出陣したいって言うならさせるつもりだけど……あ、出陣が優秀だからこの本丸に住もうと思った?それなら他を当たった方が……』
私が話終わる前に、長義くんは何故か自分の懐を漁ればテーブルの上に小さめの箱を置いた。
『…ん?これは……?』
長義「ずっと、渡そうと思っていた品だ」
ずっと渡そうと思ってた…?
ってゆうことは…私に渡すつもりで用意してたってこと…?
なんだろう………
私は小箱を受け取ればそっと箱のリボンを解いて箱を開けた。