第85章 謎の不審者
土から掘り起こしたさつまいもを水で綺麗に洗い土を落とせば、歌仙に手伝って貰いながらアルミホイルに巻いていく。
歌仙「焼き芋にするならもう少し育てておけばよかったね」
『急に思いついたからしかたないよ…焼き芋する予定とかなかったし』
歌仙「…この量じゃ皆の分足りないかもしれないね…」
アルミホイルに巻いたさつまいもを見ながら、一本を半分にした所で皆には渡りそうにないな…と歌仙は困ったような顔をした。
『やっぱり買い出しに行くしかないかなぁ…』
歌仙「僕が行ってこようか?今ちょうど手が空いているし」
『いや、歌仙だって忙しいしやっぱり私が行ってくるよ』
歌仙ばっかりに負担をかける訳には行かないよね……
そう思い自分自身でさつまいもを買いに行く事にした。
『とりあえずこのさつまいもは運んでおくね!』
歌仙「あぁ、分かったよ。買い出し気をつけて行くんだよ」
歌仙と言葉を交わせば、焼く準備のできたさつまいもを手に抱え歌仙とその場で別れて蛍丸達の所へと一度戻ることにした。
〜 中庭 〜
『お待たせ〜』
蛍丸「あ、おかえり〜。おいもあったの?」
『あ、一応あったんだけど…これじゃちょっと少ないかなって。だから今から追加分のさつまいも買ってこようかなって思ってるんだよね』
愛染「なら一緒に行くか?付き合うぜ!」
『え、まじ?いいの?一人は心細かったからありがたいよ……!』
快くさつまいもの買い出しに付き合ってくれると言ってくれる愛染くんに私はお言葉に甘えて付き添ってもらうことにした。
準備のできたさつまいもは先に焼いておいてもらうように蛍丸達に頼めば、私と愛染くんはさつまいもを買いに行く為本丸の門を開いた。
『………ん?』
門を開いた途端、目に飛び込んできたのは街で見掛けた不審者の姿だった。