第10章 新 た な 刀 の お 手 入 れ
『……自由…今は自由じゃないの?私は前任みたいに何も害を与えてないし、自ら鶴丸に絡みに行ってるわけでもないでしょ。審神者は嫌いかもしれないけど、私は前任なんかと一緒にされたくない』
鶴丸「…………っ」
その言葉に顔を歪めながら更に俯いた。
それは光忠や倶利伽羅にも届いたようでみんな俯いて苦い顔をしていた。
『前任に酷いことをされて人間が怖いかもしれないけど、私だって刀のキミたちが怖い…だって姿は人間だけど刀だし、粗末に扱ったら壊れてしまいそうで…』
鶴丸「え………?」
鶴丸は目を細めながら泣きそうな表情をした。
『私は大事にするよ、折ったり粗末に扱ったりしない。鶴丸はモノだから…刀だから粗末に扱うって言ったけど私は違うから。刀だろうけど、今は人間の身体を得てる。心もあるし、痛みだってわかるでしょ?ロボットじゃないんだからさ…だから最後までずっと大事にするよ』
私の言葉に鶴丸はついに涙をこぼした。
きっと本当に辛い過去があったんだと思い知らされた。
鶴丸「…っ…本当に、キミは…俺たちを大事にしてくれるのか…?」
『うん!その代わり私の事も大事にしてほしいかな…刀向けられるのは辛いから!!』
鶴丸は胸倉を掴んでいた手を緩め、泣き崩れた。
私はそれをよしよしとあやすように髪を撫でてあげた。