第83章 荒れる本丸
燭台切「どうしたの…!」
バタバタと台所に刀剣が入ってくる。
あまりの慌ただしさに目をやれば、光忠に堀川、石切丸に和泉守、それから左文字三人に広間に居た日向くんまで来てくれた。
最初に声をかけてくれたのは光忠だった
『っ…指切っちゃった……』
堀川「えっ、大丈夫…!?ちょっと見せて…」
堀川くんは心配そうな眼差しで私の手をそっと取れば傷口を見た。
堀川「…結構深く切ったね」
小夜「…僕が柿なんて持ってきたから…」
小夜ちゃんは悲しそうに俯きながら申し訳なさそうに弱々しく話す。
待って…小夜ちゃん…これは絶対に小夜ちゃんのせいじゃないから…!!!!!!!!!
手を切ったのは鶴丸のせいだからぁぁぁぁあ!!!!
『小夜ちゃん違うの…私の不注意だから…そんな、悲しい顔しないで?』
鶴丸のせいだよって言おうと思ったけど、ここは丸く収めた方がいいかなって思って自分の不注意ってことにした私まじで神過ぎない?
なんていい主なんだろう私…鶴丸私に感謝しろよ???
痛みに耐えながらそんなこと思っていれば、グイッと腕を掴まれ上に挙げられた。
和泉守「こうゆう傷って心臓より上にあげると血の止まりが早いって言うよな?」
『そうなのっ…?』
石切丸「聞いた事はあるね」
日向「大丈夫?何か手当てするものでも持ってくるよ」
そう言って救急箱を取りに行ってくれた日向くん。
いい子すぎんか…また泣けてきた…!!!