第83章 荒れる本丸
さて、台所に来たけど……
私は野菜や果物の皮を剥くのが苦手。
この本丸にピーラーなんて便利なものは無く包丁で皮むきをしなくてはならないのだ………
あぁ、こんな時光忠が居れば……!!!
この本丸に光忠の存在って本当に重要なものなんだと再確認する。
『まぁ、私だって料理くらいは出来るし?皮むきなんて慣れれば全然余裕だよ…!そうだよね!』
私は独り言を言いながら包丁を取り出し小夜ちゃんから貰った柿に刃を通す。
するすると皮むきをしていく。
光忠みたいに繋げたまま皮を向きたいけどそれは確実に無理だから諦めた。
『私いけるじゃん…天才じゃっ…いっだぁぁ!』
油断をした途端軽く指を切ってしまった。
痛い…でもそんなに深くないから大丈夫そう…
油断したらダメだよ私…必死に柿を剥け。
?「わっ!!!」
次こそはケガしないように慎重に切っていればいきなり背後から驚かされ、驚いたと同時に再びざっくり指を切ってしまった。
『いったぁぁい!!!』
いった、指逝った…!!!
大丈夫これ、指ついてる?あ、ついてる…良かった…
そんなことを思いながら血が流れる指を見て痛さで涙が溢れる。
『痛い〜…!』
鶴丸「あ、主…!?わ、悪いっ…大丈夫か!?」
『っ…ぐす…』
涙をぽろぽろ零しながら声を掛けてきた相手を見ればそこには鶴丸。
その瞬間また涙が更に溢れてきた。
『このっ、アホ丸がぁ〜…!!!!!』
鶴丸「わ、悪かった!そんなに泣くなって……っ」
なまえが泣いている姿にすごく慌てる鶴丸。
なまえの声が周りにも聞こえたのか、他の刀剣達が次々と台所へ入ってきた。