第83章 荒れる本丸
燭台切「柿をむいてたんだね…後は僕がやっておくから、主は向こうの広間で休んでていいよ」
『ありがとう光忠…ごめんね』
あぁ、なんて優男なんだ光忠……
私はいつも優しい光忠に救われてるよ…
そんなことを思いつつ、他の刀剣と一緒に広間で休むことにした。
『ごめんね迷惑かけて…』
石切丸「いきなり叫び声が聞こえたから驚きはしたけど、迷惑だなんて思わないよ」
堀川「そうだよ主さん!勝手に心配しただけだからね。…それにしても、主さんが手を切るなんて珍しいね?」
宗三「確かに料理は出来るのに…そんなに不器用でしたか?」
『その、私皮むきが苦手で……だから真剣に皮むきしてたのに、誰かさんに驚かされたせいでこんなことに…』
あ、言っちゃった。
まぁ事実だしいいよね、イラつくし!
私の言葉に皆の目線はすぐに鶴丸へと向けられた。
和泉守「驚かすっつったらお前くらいしかいねぇな」
鶴丸「わ、悪かった……。怪我させた責任として、俺は主と結婚するぞ!」
「『…………………………は???』」
鶴丸の言葉に皆の声がハモった。
この子は何を言ってるんだろう
ちょっと私には理解できないですね、はい。
『何を言ってるの?』
鶴丸「嫁入り前の娘に傷を付けたら責任をもって結婚するって聞いたからな!」
どこからそうゆう情報を得るんだ、うちの刀剣は…!
『嫁入り前なのは事実だけど、そもそも私は皆の主だから結婚はしません』
鶴丸「俺はいつでもいいんだぞ?」
『遠慮します』
和泉守「おい、抜け駆けしてんなよお前」
堀川「えっ、兼さんも主さんのこと狙ってるの?」
堀川の何気ない一言に、和泉守は顔を真っ赤にしてそっぽ向いてしまった。