第83章 荒れる本丸
『小夜ちゃんは本当に可愛いね〜…よちよち』
小夜「そ、そんなこと………」
小夜ちゃんの頭を撫でながら抱きしめる。
俯いているから小夜ちゃんのお顔は見えないけど、恥ずかしいのか耳まで赤くなっている小夜ちゃんを見るともうどうしたらいいのか分からない感情に押しつぶされる。
可愛すぎてどうしましょ…主困る!
そんなことを考えていれば、小夜ちゃんは私から離れて手に持っていた柿を私に差し出してきた。
小夜「これ、一緒に食べようと思って…」
『えっ?柿?美味しそう…!』
大きめの甘そうな柿を差し出され受け取る。
一緒に食べようなんて…小夜ちゃんは本当に可愛い…
なんでだろう、どこまで可愛いんだろうこの子。
『じゃあ主様が小夜ちゃんの為に柿切ってくるね!』
宗三「切れるんですか?」
『いや、それはバカにしすぎでは?』
宗三「……………バカにはしてませんよ」
『その間…!!!なに!!!絶対バカにしてる!!!』
江雪「争いはやめましょう……私はお茶を入れます…」
宗三「すみません、僕も手伝います」
江雪がお茶を入れると言えば宗三も手伝いに行ってしまった。
宗三め…私にもそうゆう扱いしてほしいんだけど…!
私も宗三との言い合いをやめて、台所へ向かい柿を切る事にした。