第83章 荒れる本丸
一期「おや、これは主。お帰りになられていたのですね?」
『い、一期…た、ただいま…』
一期「おかえりなさい。旅行は楽しかったですか?」
『えっ、…あぁ、うん……まぁ』
一期…物腰は柔らかいけど全然目が笑ってない…!
怖い…これは絶対に不機嫌!!!
『えっと…お土産買ってきたから是非みんなで食べて?』
私は控えめに手を伸ばせば買ってきたお菓子の袋を一期に渡した
すると一期はニコッとしたままお菓子を受け取った
一期「ありがとうございます、主。後で弟達に配らせていただきますね。……それと、聞きたかったことがあるんですが…よろしいでしょうか?」
『は、はい!なんでしょうか!』
怖い怖い怖い怖い、何聞かれる!?
斬られる?ついに命日になる!?
恐る恐る一期を見ながら何を聞かれるのか身構えていれば、一期は私の肩にそっと手を置いて目線を合わせてくる
一期「何故、長谷部さんなんでしょうか」
口角は上がっているものの未だに目が笑っていない一期
怒られるよりも怖いこの状況…そんなに怒ること!?
『え、えっと…なんてゆうか、言葉のあやってゆうか…』
一期「私も弟達もとても悲しい思いをしました…主さんと旅行に行ける長谷部さんが羨ましいとも感じてしまいました」
『ご、ごごごめんね…!?もう行かない!差別化しないようにするから許してください…この通り!!!』
寂しい思いをさせてしまったのだと反省の意味も込めて私は頭を下げて謝る
すると一期は私の頭をそっと撫でてくれた
一期「わかって頂ければいいんです、ワガママ言ってしまってすみません、主」
薬研「いち兄は甘いな…俺っちは謝られたくらいじゃ許せないな」
『えぇ!?じゃあどうしたら…』
謝っても許して貰えない…
じゃあどうしろってゆうんだ…!!!
そんな事を思っていれば薬研の口から驚く言葉が飛んだ