第83章 荒れる本丸
とりあえず…短刀ちゃん達に会いたいからまずは粟田口のお部屋に行こうかな?
私はそう思い粟田口の部屋へと向かった。
いざ部屋の前に来てみるも随分と静かなこと…
いや、なんでこんなに静かなの?
嵐の前の静けさってやつ?
私は声はかけずに襖をそっと開いた。
『……………』
襖からこっそり中を覗けば短刀ちゃん達がお昼寝をしている様子が目に入った。
『なんだ…お昼寝してただけか…良かったぁ』
静かな原因はお昼寝してただけだと安心すれば胸を撫で下ろす。
起こさないようにそっと襖を閉めれば背後から声をかけられた
薬研「なんだ、帰ってきてたのか」
『や、薬研!?』
薬研「もう少しゆっくりしてくるのかと思ってたが…案外早く帰ってきたんだな?」
『ま、まぁ…本丸の事も心配だったし…』
薬研「心配…ねぇ?」
なんとも言えない表情でこちらを見てくる薬研。
なんか当たりが強いような…?
き、気の所為だよね…きっと気の所為だ…!
『あの…薬研?本丸静かすぎない?』
薬研「そうか?まぁ、皆お怒りだからな」
『へ?お、お怒り!?』
薬研「主は長谷部を優遇したって拗ねてたぞ?まぁ、俺も妬いたけどな」
お怒り…やっぱり一振だけ優遇したからこんなことに…!
で、でもそんなに怒らなくても……やばい刺されるかも。
どうしよう!本当に嵐の前の静けさだよ…!
謝る?謝るようだよね?
ででででも!そんなに悪いことはしてないと思うんだよね…!!!
してない………よね?
私は一人で頭を抱えて葛藤していれば、薬研とは別の声に話しかけられた。