第82章 温泉旅行
『え、あ、何でもないよ!ごめんね?』
不思議そうに振り返ってきた長谷部に私は慌てたように何も無いような振る舞いをする
長谷部の言葉に嬉しくて感動したけど、泣いたりしたら長谷部に迷惑かけちゃうもんね
ある程度背中を洗えばそっと長谷部の背中へとお湯をかけてあげる
『はい、おしまい!気持ちよかった?』
長谷部「あ、はい…もちろん。大好きな主に背中を流してもらえること自体嬉しくて夢のようです」
『そんな大袈裟な…私も誰かの背中を流すことなんてあんまりないから新鮮な気持ちだよ?』
普通に生活をしていたら誰かの背中を流すことなんてないもんね
そんな事を考えながら自分も身体を洗おうと長谷部の隣の椅子へと腰をかけては長谷部に声をかけられた
長谷部「あの、主。やはり俺ばかり背中を流してもらうのは申し訳ないので、俺も主の背中を流しても?」
『えっ、いいけど…別に気にしなくていいのに』
長谷部「俺が流して差し上げたいので…よろしいですか?」
『長谷部がそこまで言うなら…お願いしようかな?』
長谷部「ありがとうございます、主。では…」
背中を流すことを許可をすれば長谷部はとても嬉しそうな笑みを浮かべながら私の背後へと回り込んだ
長谷部は手で泡立てて私の背中をそっと撫でてくる
『ん〜、くすぐったい…』
長谷部「主の背中を傷つける訳にはいかないので優しく洗わなければ」
触れるか触れないかの力加減で背中を洗ってくれる長谷部
どこまでも紳士で優しい長谷部といると心も安らぐなぁ…
そんな事を思いながら現れている気持ちよさに目を閉じてじっとしていれば、いきなり長谷部に後ろから抱きしめられた