第80章 おかえりなさい
それから私はショックで自室へと篭った
どうしてあんなこと言ったんだろう…皆…
短刀ちゃんに嫌われるなんて前代未聞だよ…
もうほんとやだ………
一人でネガティブになっていれば、暫くして誰かが部屋に入ってきた
倶利伽羅「おい、何を落ち込んでる…」
頭上からする声に私はそっと頭を上げた
『伽羅ちゃん…』
倶利伽羅「また泣いてたのか…アンタ…」
『だって…皆私の事嫌いだからっ……』
倶利伽羅「はぁ…嫌いかどうかはこれから決めろ。こい」
伽羅ちゃんは私の腕を掴めば立たせ、腕を引いたままどこかへと向かった
『か、伽羅ちゃん…!?』
倶利伽羅「黙ってついてこい」
『で、でも…私…!』
こんな気分が落ちてる時にどこに連れていく気…!?
もう今日は部屋から出たくないよ私…!!
そう心の中で叫んでいれば、いきなり伽羅ちゃんは足を止めた
倶利伽羅「俺は、アンタが帰ってきてくれて良かったと思ってる…」
『……………へ?』
倶利伽羅「…っ…何でもない、忘れろ…」
そう告げると再び私を引っ張り歩く伽羅ちゃん
今、帰ってきてくれて良かったって言った…?
その言葉に私は嬉しくて涙目になった
微かに見える伽羅ちゃんの横顔は、頬が少し染まっていた