第78章 審神者の危機
さて、どこに隠れるか…
このまま本丸内をフラフラしてても絶対に見つかって終わりだし…どうしようかな…
あ、確か前に薬研が居た屋根裏部屋があった…そこに行けば見つかる確率が下がるかも!
よし、そこに隠れよう…そうしよう
私は一番見つからなそうな本丸の屋根裏部屋へと向かった
『えーっと、確かここら辺だったような…』
屋根裏部屋へと繋がるハシゴを登れば無事に屋根裏部屋へと入れた
これで安心だと思いながら一息つけば、すぐ目の前から呼ばれる声が聞こえた
?「よう、大将」
『………………』
………待って。
なんか空耳が聞こえたんだけど…
まさかね?いるはずは……
私は顔を引き攣らせたまま目の前の人物を確認する為に顔をゆっくりと上げた
薬研「大将、逃げてたんじゃなかったのか?」
『や、薬研……』
目の前に居たのは薬研だった
見つけたと言わんばかりに私の手首を掴む薬研
薬研「逃がさねぇぜ?たぁいしょ?」
鶴丸達の罠に引っかからなかったのに…あっけなく捕まったぁぁあ!!!
ここに来たことが間違いだったなんて……聞いてない
『あ、あの…薬研…わっ…!』
どうにか逃がしてもらえないか口実を考えていれば、いきなり薬研に手を引かれそのまま抱きしめられた
薬研「おかえり、大将…」
『っ……!』
その落ち着いた声にいつもの薬研だと安心感を覚えた上、思いがけないおかえりという言葉に涙が溢れそうになった