第74章 これからの事
『っ、はぁ…はぁ…』
蛍丸「主、大丈夫…?」
『うん、大丈夫っ…』
私は本丸から蛍丸と共に逃げて城下町へと出てきた
町はまだ静かで人も少なかった
蛍丸「少し休もう?」
『うん…ありがとう…』
私達は人目につかない場所で一休みするため腰を下ろした
蛍丸「主、怪我してない?」
『あ、うん…私は大丈夫だけど、蛍丸が…』
蛍丸「俺は大丈夫。かすり傷だから」
『ごめんね、私のせいで…』
蛍丸「謝らないで?俺は主を守れて良かったって思ってるし、傷なんて何でもないよ」
『ありがとう…蛍丸』
私が笑みを零せば、蛍丸も笑みを零してくれた
その笑みに私は酷く安心した
『これからどうしよっか…』
蛍丸「んー…どこか宿でも借りる?」
『そうしたいけど、お金持ってないし…』
そう言うと、蛍丸はズボンのポケットから何かを取り出した
蛍丸「これで宿借りられるかな?」
蛍丸がポケットから出したのはお金だった
『これ、どうして…』
蛍丸「念の為に持っといたんだ、何かのためにね」
『ありがとう蛍丸……!これで宿借りれるね…!』
その言葉に蛍丸は小さく微笑んだ
蛍丸はこんなに強くてしっかりしてるのに、私ときたらほんとダメダメだなぁ…なんて心の隅で思ってしまう
そんな私を察したのか、蛍丸を私の手をぎゅっと握った
蛍丸「大丈夫だよ、主。主のことは俺が守るから、心配しないで?」
『へへ…蛍丸には何でもお見通しだね…?ありがとう…蛍丸がいてくれて本当に心強い…』
蛍丸が一緒で本当に良かった…。