第73章 本 丸 に 迫 る 影
『な、何っ……』
?「そんな怖い顔しないでよ」
そう言いながら、肩を掴む力を強めていく男
『い、痛い…!離してっ…!』
力の強さに痛みを感じ、手を振り払おうとすれば今度は手首を掴まれグイッと引っ張られた
そして耳元で冷たく囁かれる
?「ちょっとうるさいなぁ…。静かにしないと、殺すよ?」
『………!!!』
その言葉に私は嫌でも口を閉じた
……今、この男…私のこと殺すって言った…?
なんで……この人は一体…刀剣達は…何処に行ったの?
そんなことを混乱する頭の中で考えていれば、男はゆっくり口を開いた
?「いいねぇ、その顔。怯えてる姿は滑稽だよ」
『あ、あなたは…誰?』
?「ん?俺はこの本丸の審神者だ。俺の本丸な筈なのに、何故か追放され政府に拉致された…そしてお前みたいなガキにこの本丸を奪われた…これは俺にとって屈辱的な事だ。だからこの屈辱を晴らす為、俺は政府の目を盗んで逃げ出しこの本丸をやっと見つけ出した…ハハッ、随分と刀剣に懐かれてる様だが、お前の役目も今日で終わりだ。この本丸は返してもらう」
『な、何言ってるの…?今まで貴方がやって来たことは間違ってるよ!私はこの本丸に来た時、息苦しい空気を吸った…そして無惨な刀剣達を見た!もう刀剣達にそんな思いさせない!絶対に私が守る!!!』
前任「は?守る?馬鹿なこと言うなよ。刀剣はモノなんだよ、モノをどう扱おうが主の勝手だろ?捨てるもよし、使うもよし、そうだろ?」
『うるさい!うるさいうるさいうるさあああああい!!!モノだとしてもみんな人の心を持ってるんだよ!食欲もあるし、欲もあるし、悲しむ心も嬉しがる気持ちも沢山の感情があるんだよ!!!性欲だってあるんだよ!アンタになんて負けない!』
私は前任の手を振り解けば、刀剣のみんなを探しに走り出した
前任「ハハッ、熱くなっちゃって。本当にお前に刀剣を守れるかな?これだからガキは」
前任は畳に手を付けば、何かの力を使った