第73章 本 丸 に 迫 る 影
『はぁ…はぁ……みんなー!!!』
私は広間から飛び出し、静かな刀剣達を探すように本丸内を走り回る
みんなはどこ…!?
こんなに静かだなんてやっぱりおかしい…もしかして、前任に何かされたんじゃ……!
いやいや、マイナス思考はダメ…私がしっかりしなきゃ!
走り回っていれば、前方に鯰尾の姿が見えた
『あ、鯰尾……!!!』
私は鯰尾を呼びながら駆け寄れば、鯰尾はちらりと私の方を見た
鯰尾「……」
『鯰尾!はぁ……良かった……無事だったんだね…』
息を整えながら鯰尾に微笑みかければ、鯰尾は無表情のまま私を見ればいきなり私の首を掴んだ
『な、鯰尾……?』
鯰尾「何なんですか?主でもないのに気安く話しかけないでくださいよ」
そう冷たく告げれば、鯰尾はそのまま私の首を絞めてきた
『っ……鯰尾っ……苦しっ……!』
締め付けられる息苦しさと、鯰尾の言った言葉に私は混乱した
主でもないのにって、どうゆう事…?
朦朧とした意識の中、私は鯰尾の言葉を必死に考えた
そんな中、不穏な空気を感じたのか他の刀剣達が部屋から出てきた
骨喰「兄弟…」
鯰尾「あ、骨喰」
一期「鯰尾、その辺にしておこう。後は私に任せて」
一期の言葉に鯰尾は大人しく首にあった手をそっと離した
『っごほ…ごほっ…!』
開放された苦しみに咳き込んでなまえは膝から崩れ落ちた
それと同時に大事な刀剣から与えられた苦しみに悲しみを覚え涙を零す
『っ…なんで……こんなことっ…』
一期「貴女は侵入者だからです。主の敵は、私達の敵ですからね」
そう言って一期は私に向かって刀を向けた