第69章 こんな朝は初めて
『ちょ、ちょ!待て待て待て!舐めるよりも拭いた方が綺麗になるよ!だから今拭くもの持ってくるから……!』
私は拭くものを取りに行こうと思い立ち上がろうとすれば、不動に手を引かれ再び座らせられる
不動「逃がさねーよ…」
にたっと笑いながら私の身体を抱きしめてくる不動
その可愛さに胸がきゅんとした
『ふ、不動……』
不動「早く、綺麗にしてくれよ…」
そう言ってくる不動を見れば、頬が赤いせいか熱っぽく見えた
やばい…短刀なのにエロい……
このままじゃこの雰囲気に飲まれてしまう…
そんなことを思っていれば、後ろから怒りの含んだような声が聞こえてきた
長谷部「不動……」
声のする方を見ればそこには険しい顔をした長谷部が立っていた
『は、長谷部……!?』
長谷部「不動…、貴様主に何を……!」
不動「なんだ…邪魔が入ったな……」
長谷部「っ…!来い…!!!」
不動「ちょ、離せっ……!!」
不動の言葉に怒りを抑えられていない長谷部は不動の首根っこを掴みどこかへ連れて行ってしまった
まるで嵐のようだ……
そんなことを思いながら私は二人の姿を見送った
それにしても、また一人になっちゃったなぁ…
やっぱり誰かと一緒に居た方が落ち着くかも……
『…よし、今日は楽しいことしよ!まだまだ休みは長いんだから!』
そんな独り言を空に向かって呟けば、ぼふんという音と共にこんのすけが目の前に現れた