第69章 こんな朝は初めて
はぁ…抱いたことすら覚えてないなんて……
恋人じゃないけど、やっぱりショック……
『はぁ〜……』
私はオープンになってるテラスのような場所に来た
そして腰掛ければため息をつく
そのままぼーっと海を見ていれば、背後から声をかけられた
不動「なんか、元気ないなぁ、あんた」
『不動……』
不動は甘酒を飲みながら私の隣に腰を下ろした
そして同じように海をぼーっと見つめる不動
その姿を私はじっと見てしまう
不動「ホームシックになったとか?」
『ち、違うし……!』
不動「じゃあなんで元気ないの…、嫌なことでもあったわけ?」
頬を赤くしたまま横目で私を見てくる不動
その目線に私は目をそらし俯いた
『……何でもないよ』
不動「何でもないわりに暗いじゃん…」
『気のせいじゃなっ…ん…!』
話してる最中に不動は私の後頭部を支えれば深いキスをしてきた
そのキスは甘酒の味がした
『んっ……!』
キスに耐えていれば、暫くしてゆっくりと唇が離された
不動「……っ。はぁ……そんな暗い顔、あんたには似合わないよ…」
『不動……』
不動「……早くいつものあんたに、戻れよな」
不動はそう言って再び甘酒を一口飲んだ
不動…私のこと心配してくれたんだ……
そう思えば嬉しさがこみあがり私は強く不動を抱きしめた
『不動、ありがとう…!!!』
不動「ちょ、甘酒が零れるだろっ……」
『いいじゃん、ちょっとくらい!』
不動「やめろって……!あっ……」
私が抱きついたことにより抵抗したせいで甘酒が不動の胸元へとかかってしまった
『あ、ごめん不動』
不動「だから言ったのにさぁ……まぁいいや、舐めて」
…………はい?
今なんて言った?舐めてって言った?
拭いて?って言うんじゃないの普通!
そんなことを考えていれば不動は自分の服をはだけさせた