【ツキウタ。】Legend of Moon Princess
第1章 出会い
「夜の今度のドラマの主題歌、Divaなんだろ!?」
「うん。そうだよ」
「えっそうなの!? すごいな!」
「会えたりしねーの?」
「うーん……ちょっと難しいみたい」
プロセラ寮の共有スペースでそんな会話を繰り広げているのは、プロセラとグラビの年中組だった。
プロセラ年中組の長月夜は、このごろドラマ出演が増えており、今回はなんと主役抜擢されたのだ。
そしてその主題歌に……今話題の、【Diva】が起用されたのだという。
今までDivaの歌がドラマやCMなどに起用されたことがないので、それだけでも世間の注目だった。
「夜ー、Divaちゃんに話題独占されちゃってるから、ドラマ自体も頑張れよー」
「あはは、頑張ります……」
若干力なく夜は、陽からの労いに返事をした。
そうなのだ、自分がドラマの初主演と意気込んでいるのだが、それ以上に主題歌に話題をもっていかれてしまっている。
仲間の応援もあり、不安はあるものの、それだけでは終わらせない、自分も頑張らなければ、と意気込む夜であった。
「あれ、新、何聞いてるの――って、もしかしてDiva?」
「あ、ああ。そうだけど」
「へーめずらしいね。新がこういうの聞くの」
「そうかー?」
幼馴染コンビの新と葵も、Divaの話題がでていたのだ。
幼馴染ならでは、葵は新の音楽の好みもわかっているので、少し意外な顔をして話をしていた。