第2章 消したい恋心
でも…
ちゃんと俺は解ってる………。
大倉だけに見せる
幸せそうな君の笑顔が
一番きれいで
一番僕の好きな君……。
だから僕はまた
"もうやめよう…"
"もう諦めよう…"
そう心に誓って
幸せそうな二人から目をそらし
一人家までの道を歩く……
夜眠る前
ベッドに潜り込み目を閉じて
願い事をする…。
"明日は今日とは違う日でありますように…"
でもそんな
今まで幾度となくしてきた切なる願いは
朝目が覚める度に儚くも消え去って
そしてまた僕は
叶わないと知りながら
君の笑顔を求めて
昨日と同じ今日を過ごす…………
………安田 章大の場合………