第6章 意地悪な恋(やんまー)
あかねが俺に
優しく笑ってくれて
あかねが俺を
好きになってくれる。
そんな日は
絶対に来ることはないと思ってた…
いつだって俺は
あかねを傷付けることでしか
自分の気持ちを伝えることが
出来なかったんやから…
でも今…
あかねは俺だけに
ずっと欲しくてしかたなかった笑顔を
向けてくれてる…
そのことが
嬉しくて仕方ない……
でもその一方で
「あほやな…お前は……(笑)
章ちゃんほどええ男滅多におらへんのに…
ほんとにお前は……俺でええの?」
怖くて仕方ない……
だから確かめたくなる……
でも震える手で
そう言ってあかねの頬に手を伸ばすと
「うん…私ばかだから(笑)
優しい章太よりも…
意地悪で素直じゃない錦戸さんが
いい………。」
そんなどうしようもなく
とろけそうな言葉が返ってきて…
「俺も…お前がええ………
他の誰かじゃなくお前が…
あかねが好きや………」
そう初めて素直な気持ちを伝えた俺に
あかねは嬉しそうに笑った……