第6章 意地悪な恋(やんまー)
「……ね?あか……?あかね!?」
ぼんやりとした意識の中
私の名前を呼ぶ声がして顔を上げると…
「もう…何回も名前呼んでんのに…
全然気付いてくれへんし……(笑)」
なんて笑いながら
章太は私の髪をくしゃりと撫でる…
「うん…ちょっとぼーとしてて
ごめんね………」
「で…今からどうする……?
明日俺仕事昼からやし
久しぶりに俺の家に来る………?」
そんな章太からの誘いに
「うん…………」
そう小さく返事をした私の目の前に
章太の顔が近付いて
唇が触れようとした瞬間…
なぜか……
哀しそうなあいつの顔が
目の前に浮かんで
寸前で顔をそらすと…
「あかねは……
今誰のこと…考えてんの………(笑)?」
そう言って章太は私の髪を
優しく撫でる……
そんな優し過ぎる章太の手に
胸が苦しくなって…
「何で……そんなこと聞くの…?」
そう言って章太に抱きつくと…
「だってあかねは今
ここにおらへんやんか……?
体だけはここにあるけど
肝心の心はどこに置いてきたん……(笑)?」
なんて笑って
章太は私をぎゅっと抱きしめた……