第6章 意地悪な恋(やんまー)
あかねside
あの日から1週間がたって
やっと胸元に残されたあとも
キレイに消えた…
今日こそはちゃんと
章太と二人で楽しいデートをするんだ!
そのために気合いも入れて
メイクもしたし服も選んだんだから…
待ち合わせ場所のお店について
通された個室の前で
大きく一つ深呼吸をして扉を開くと
そこには笑顔で手を振る章太がいて
私も笑顔で章太の前に座ると
「ごめんあかね(汗)!」
なんて申し訳なさそうに
謝ってくる章太に
訳がわからなくて首をかしげると…
私が今閉めたばかりの扉が開いて
「こんばんは…あかねちゃん(笑)」
なんて……
聞こえるはずのない声に
体がびくりと震える……
「なんで…………?」
そう小さく呟いた声に
「あの…電話しようと思ったんやけど
収録の休憩時間があんまりなくて…
それで結局タイミングを逃しちゃって…」
なんて章太はあわあわと慌てながら
私に声をかけてくるけど…
でもそんな言葉より………
「いつも邪魔して
ごめんなあかねちゃん(笑)?
ご飯だけ食べたら俺は帰るから…」
なんて肩に触れたあいつの手に
嫌なのに
体温が急上昇して…
顔が赤くなってしまってるのを
知られたくなくて下を向いたまま
「分かった…………」
そう頷くと…
「ありがとうあかね(笑)」
なんて笑いながら章太は下を向いたままの
私の頭を撫でた……