第6章 意地悪な恋(やんまー)
あいつが帰ったあと
章太と二人になった部屋の中
あいつに触れられた唇を
無意識にごしごしと擦り続けていると…
そんな私の手を章太が掴んで
「どうしたん………?
唇…真っ赤になってるよ…?」
そう言って
優しく指先で私の唇に触れる……
「あの…うん…ごめん…(笑)
なんでもないよ………?」
章太の指が唇を撫でる感触に
なぜかあいつの指が重なって
罪悪感で目をそらすと…
「そうなん(笑)?」
なんて可笑しそうに笑って
私の唇に章太の唇が重なる…
優しくて甘くてふわふわする
大好きな章太のキス…
でも今日も…
だんだん下におりてくる唇に…
服の中に入ってくる手に…
あいつに残された赤いあとが
ブレーキをかけて
「だめ………!」
そう叫んで
私は章太の体を押し戻した……