第6章 意地悪な恋(やんまー)
胸元に色濃くつけられたあとを
唇を噛み締めて見つめる私に…
「これで今日も…
章ちゃんに抱いてもらわれへんな(笑)?」
そう言ってあいつは
自分がつけた赤いしるしを
愛しそうに指先で撫でる…
なんでこうなったのか…?
どこから狂い始めたのか…?
いくら悩んでも答えは見つからない……
いつの間にかあいつは
章太と私の間に入り込み
章太に言えない秘密を増やしていく…
初めてキスをされた日
驚いて床に座り込んだ私に
"章ちゃんにはナイショね(笑)"
そう言ってあいつは笑った………。
本当はあの時
章太に打ち明けるべきだったの
かもしれない…
でも…
二人の仲を壊すことを
私がためらったせいで
その日隠した秘密のキスが
私の中にいつまでも重く吐き出せない
誰にも言えない
秘密になってしまったんだ…