第6章 意地悪な恋(やんまー)
「ごめん………(笑)」
そう先に口を開いたのは
体を押し戻した私じゃなく
押し戻された章太の方で……
「あの…これは違うの…ごめんね……?」
そう必死に言い訳をする私の頭を
優しく撫でると
「謝らんでええよ…そんなん(笑)
でも…俺明日仕事で早いから
今日はもう帰るね?」
そう言って帰り支度をすると
私を部屋に残したまま
出ていってしまう…
誰もいなくなった部屋の中
我慢してた涙が次々に溢れて零れ落ちる…
違うのに………
本当は章太に
"行かないで"そう言いたいのに
大嫌いなあいつが
私を動けなくさせる……
大嫌いなのに……
私の頭を埋め尽くして
大嫌いなのに……
あいつに触れられた唇や肌が
じんじんと熱く熱を帯びる………
それはきっと
私に触れるあいつの目が
いつもどこか寂しそうで…
笑ってるのに
とても苦しそうだからなんだ……