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∞な短編集

第6章 意地悪な恋(やんまー)


"どん……"


そう鈍い音を立てて

やっとの思いで胸を突き飛ばしても…



"痛いわ(笑)"

なんて意味不明な笑顔を浮かべる

あいつに



「なんで……?

なんでいつもこんなことするの………?」



そう必死に息を吸い込みながら

訴えてみても…



「別にキスするんに理由とかいらんやろ?」


なんてそっけなく言いながら


キスで濡れた私の唇を

親指でなぞってくる………



「触らないで………!」


そう怒ってみたところで


あいつは

私の言葉なんて聞こえていないように

私の足元に膝まつき


私の服を胸元まで指で下げると



「やめ…て………お願い………」



そんな私の懇願にさえ笑顔を浮かべ


引き下げて露になった

少し薄くなった赤いあとが残る胸元に


ゆっくりと味わうように

また鮮やかな色をつけるんだ………
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