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色々短編集!

第8章 食戟のソーマ―――四宮小次郎


四宮side


『っはーー!久しぶりの日本ですね!』

「ああ、そうだな」

『あれ?小次郎さんテンション低くないですか?』

「そんなことねーよ。お前が高すぎなだけだ」

そう言うとみずきはえー?と頬を膨らませている
みずきと話しているこの時間が今の俺が自分でいられる時間だ

だが、その時間さえ、最近は短くなってきていた

プルスポール勲章を取った後、どうやっても自分の納得のいくものが作れない
薙切仙左衛門の娘である薙切えりなに次ぐ舌を持つみずきも俺の変化に気づいているようだった

そんなときに遠月の合宿の審査員をすることになった
話を受けたのは気まぐれか、店から離れたかったのか

どちらにしろ、店をみずきに預けることになり、安心していたのも束の間、みずきにも話が来てしまった

喜んでいたみずきだったが、俺はできればつれてきたくはなかった

店のこともあるが………


「あーー!四宮先輩ー!みずきちゃーん!」

『ぶっ!』

これも理由の1つだ

『ヒナコ先輩!お久しぶりです!』

「やーん!相変わらず可愛いですね!みずきちゃん!」

みずきをぎゅうぎゅうと抱き締めるのヒナコ
その後ろには水原と悟桐田、そして関守さんがいる

「ヒナコ!みずきに抱きつくな!」

「いたたたたた!!」

ギリギリとヒナコの頭を掴めば、みずきを解放した

「みずきも物好きね」

「四宮先輩と付き合ってるなんて……何もされていませんか?」

『そんな……何もされてませんよ?』

「オラそこ!聞こえてんだよ!」

「ははは!懐かしいが、時間も惜しい。そろそろ行くか」

「はい」

ヒナコは相変わらず五月蝿いし、水原は俺に突っかかってくるし、悟桐田はそれに乗っかるし、関守さんはそれを見て笑うだけ


遠く昔のように感じられるこの光景が、とても安心した


皆は変わっていない、と


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