第8章 ~ 夢の続き ~
あたしに気が付いて
よいしょっとドアから背中を離す
潤 「おまえ何勝手に引っ越してんの?」
あたしに向かって近づきながら
ため息まじりにそう言う
潤 「携帯も繋がんねーし、アドレスも変えただろ?」
あれからあたしは引っ越しをした
住む場所も携帯もアドレスも変えた
そうでもしないと潤から連絡が来るかもしれないという
バカな期待をする自分が
嫌だったから
「何で・・・ここに居るの・・・?」
潤 「俺を誰だと思ってんだよ。その気になりゃおまえがどこに居るか位すぐ分かる。」
何も言えずにいるあたしに
潤 「とりあえず、家入れて。誰か来たらマズイ。」
そう苦笑いしながら言う
「ああ・・・ごめん。」
答えながらバックから鍵を取り出そうとして
震えてる自分の手に気が付く
動揺を抑えられず鍵を落としてしまうと
何も言わず潤が拾い玄関のドアを開けてくれる
先に入ってバックを置き
靴を脱ごうとする
玄関のドアが閉まる音が聞こえると同時に
突然後ろから左手を掴まれ
そのまま反転させられる
目の前には潤の
真っ直ぐな瞳
潤 「会いたく・・・なかった?」