• テキストサイズ

あいつはねこまのわんこ系少年 そのにっ【HQ】

第8章 【番外編】黒猫と三毛猫。




side黒尾。

強気なおチビちゃんはリエーフを探すためにさっさと前を歩き出した。

なんつーか手なづけられねえ猫みてえだな。
美人でつんつんしてて…

ペルシャ猫…まではいかねーな。
三毛猫…か。



おもしれえ。
なんとなくだけど手なづけられねえこの感じ、出会った頃の美優を見てるようで、かなり興味がそそられた。

だから俺は、獅子を探す三毛猫の背中をそっと追いかけた。



ーーーーーー


2人と三毛猫は案外すぐに見つかった。

校舎の裏の裏。
普通は立ち入ることのないような場所。

だけど…

声漏れてんぞあいつら…

ちなみに三毛猫は2人を見ながら赤面して固まってる。
こうなることは予想できてなかったってわけか。

小さな声で三毛猫に声をかければ大げさにびくりと肩が跳ねる。

「おどろっ」
「おまっ!声でけえ!」

慌てて口をふさぐと嫌がってばたばたと暴れ始める。
おいおい!マジでバレちまうじゃねーか‼︎

「見てるの知ったらリエーフにもっと嫌われるかもな?」

そう耳に囁くと、三毛猫は大人しくなり、2人の行為をじっと見つめた。




「俺だけ見て。他の人のところに行かないで…」



悲痛なリエーフの声がその場に響く。


こくりっ、と三毛猫が息を飲む。



『どこにも行かない。リエーフ…すきよ?』


そう、美優がリエーフに言うと三毛猫の体の力が抜け、俺に寄りかかってきた。

刹那、三毛猫の口に当てていた俺の手に温かな滴。

気づいた瞬間、俺は空いた手で三毛猫を背中から抱きしめた。

ぎゅっと抱きしめ、あやすようにとんとんと肩を軽く叩くと、三毛猫は俺の腕を掴みながら声をこらえて泣き始めた。


/ 382ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp