第7章 波乱の7月合宿。
リエーフの背中を追ってたどり着いたのは何もない校舎の裏。
『あ…の…リエ…』
きつく握られていた手首が外れだと同時に背中に衝撃。
私の背中は壁に押し付けられていた。
「なんなんすか、美優さん。
俺が女の子と話してたらなんだかんだ言うくせに、自分は黒尾さんと抱き合って…」
『ちが…』
「じゃあなんなんすか!」
がつっ
石の壁をリエーフが殴る。
違う
私が好きなのはリエーフだけ。
そう言いたいのに言葉が出てこない。
「異性の気配がしたらオシオキ…でしたっけ?」
そういうとリエーフは私の腕をひとまとめにし体を反転させる。
ぐいと壁に押し付けられ石の壁がひやりと肌を刺した。
「今日のワンピース、黒尾さんの好みだったりして…」
そう言いながらリエーフの指はキャミワンピの肩紐を落とし、中に着ているTシャツをたくし上げる。
『待って…リエーフ、ここ…外。』
「待ちませんよ。俺以外とベタベタしたんでオシオキです。」
不安と戸惑いで下を向いていれば私の肩にとんとリエーフの顎が乗る。
「おとなしく抱かれて?美優。」
鼓膜を震わす声。
獲物を捕らえた野獣のようで、
私の喉がひゅっと鳴った。