第7章 波乱の7月合宿。
「美優さん、俺、話あります。」
強引に肩を引かれクロから体が離れる。
手首を掴まれどこかに行こうとするリエーフをマネージャーが遮った。
「リエーフセンパイ!そんな人放っておいていきましょう?
だって他の人と一緒にいたんですよ?
それって浮気じゃないんですか?」
話を続けようとするマネージャの言葉を、リエーフが遮った。
「なあ、莉奈。
お前、邪魔。」
ぐいと引かれた腕。
痛む、掴まれた手首。
もつれそうになる足。
小さな声でリエーフを呼ぶマネージャ。
全てが早回しのよう。
私はただ、前を歩くリエーフの背中を必死で追いかけた。